体のどこかにあの表示!!

前回は、JISシャックルの規格について書いたんだけど君たち覚えているかい?
ちょっとややこしい話だったんで簡単におさらいしようと思う。

前回ブログ

JISshackle Stype.png

経済産業省からの通達でJISシャックルの製造業者・関連業者に対して、既に廃止
されたJIS規格(1996年以前の規格)で製造されたシャックルはJISシャックル
として取り扱っちゃいけないってことになったんだ。

大洋製器工業では、1996年の規格で製造しているシャックルだけをJISシャックル、
1996年以前(1958年1977年規格)はTAIYOシャックル
として販売しているって
ことだ。

じゃ、JIS規格が改定されて「何が変わったの?」って思っちゃうよね。

それを今から説明するよ。
1996年(平成8年)にISO規格との整合性を図るとともに、製造及び使用実態を
踏まえてJIS規格が改定されたんだ。

この改定で、大きな変更が2つあるんだ。
まずは、JIS規格にM級、S級、T級、V級の4つの等級が誕生したことだ。
この等級は、巻上用チェーンスリングなどと等級の整合性を図るために規定されたんだ。

寸法や形状は等級によって変わらないんだけど、使用荷重や材質が変わるんで注意が
必要なんだ。

これが各等級の使用荷重表だ。

M級は、1977年JIS規格品とほぼ同等品で形状、寸法とかは一緒なんだけど、
材質や一部使用荷重が変更になっちゃっているんだ。
M級の使用荷重についてなんだけど、変更されたものは( )で表示しているんだ。
赤文字で表示しているものは、1977年JIS規格品と比較して使用荷重が落ちる
ので特に注意してほしい。

M級シャックルについて

次に表示(刻印)についてなんだ。
以前の規格のシャックルにも、製造業者名(その略号)と使用荷重、製造ロット番号
は刻印されていたんだけど、それに追加して等級の表示が必要になったんだ。

shackle.kokuinn.png

この画像が、シャックルの表示(刻印)の例だ。
(2)のMって言うのがM級ってことを表している。これが、VだったらV級ってことで、
これらの表示(刻印)がJISには必要なんだ。

分かりやすいように、キン肉マンの「KIN(キン)マーク」で例えてみよう!

キン肉族は、体のどこかにこの「KINマーク」があって、このマークが
キン肉族の証なんだ。
このマークがないってことは、キン肉族じゃないってことだ。

シャックルも同じように、製造業者名(その略号)と使用荷重、製造ロット番号、
等級の表示(刻印)がJISシャックルの証
なんだ。
必要な表示(刻印)がないシャックルは、JISシャックルじゃないってことだ。

というワケで君たち、JISシャックルを使うときは表示(刻印)の確認を
しちゃってくれよ。