スリングを殺す!?それ危険です!

君たち、9月に入ったね!9月といえば、君たちは何を思い浮かべる?

僕は「月見バーガー」だよ!いろんなお店の月見バーガーを食べ比べるのが好きなんだ。

イチオシは、白ひげメガネおじの鶏屋さんだよ。

君のオススメの月見バーガーがあったら、ぜひ教えてくれよな。

 

さて、ここから本題に入るよ。

タイトルを見て、びっくりしちゃった君もいるかもしれないね。ごめんね。

 

スリングを殺す」というのは、現場で使われている言葉みたいで、

長いスリングを短くなるよう結んだり、ひっかけたりする” ことだよ。

 

作業中、短いスリングが欲しいのに長いスリングしかない時や、長さの違う2本のスリングしかなくて

長さを揃えたい時に「スリングを殺す」という手段をとることがあるみたいなんだ。

 

 

今言ったような場合の解決策として「スリングを結ぶ・ひっかける」というのは、とっても簡単かもしれないけれど

これ、すごく危険だよ!!

なぜ危険かというと、ワイヤロープでも繊維スリングでもチェーンスリングでも

結んだり、ひっかけたりしてしまうと強度低下を起こしてしまうんだ。

 

今回は、スリングを結ぶことがなぜ危険なのかをそれぞれ説明していくね。

スリング同士を引っ掛けることの危険については、

詳しく説明しているブログがあるから、ここからチェックしてね。

★スリング同士を連結する吊り方は破断事故を起こす危険が潜んでいる!

 

ワイヤロープ

ワイヤロープを結ぶと、キンクが発生する可能性があるよ。

キンクとは、局部的によりが詰まったり、戻ったりして発生したもので

キンクが発生したワイヤロープは強度が低下しているから、使用を中止して廃棄しなきゃいけないんだ。

ワイヤロープスリングのJIS規格(B 8817)にも、

廃棄基準に「形くずれによって、キンク及び著しい偏平化、曲がり、かご状などの欠陥が生じたもの。」

使用基準に「ロープのねじれ、曲がりは直ちに修正して、キンクしないようにすること。」

と記載されていることから、キンクしたワイヤロープは危険ということが分かるよね。

 

また、キンクだけじゃなく、ワイヤロープは小さく曲げると、

曲げてないまっすぐな部分より強度が低下するんだ。

折り曲げによる強度低下率は50%にもなることがあって、とても危険だよ。

参考:★くくり吊りってどんな吊り方?

 

繊維スリング

繊維スリングは「ベルトスリング」と「ラウンドスリング」、両方のJIS規格の禁止事項として

「極端なねじれ、結び又は互いに引っ掛けた状態で使用してはならない」と定められているよ。

(ベルトスリングB 8818)(ラウンドスリングB 8811)

 

JIS規格改訂の検討などをするスリング工業会という会があるんだけど、

その工業会でスリングとスリングを結んだ状態などで引張破断試験を実施した結果、

規格の破断値の半分程度の荷重で破断しちゃったそうなんだ!

その結果から、「極端なねじれ」「結び」「引っ掛ける」ことは禁止事項として定められているんだよ。

 

 

チェーンスリング

チェーンスリングは、上の2つと比較しても、特にねじれやもつれに著しく弱いんだ。

JIS規格(B 8816)にも「チェーンがねじれたり、もつれたりしたまま使用しない。」と定められているよ。

 

少しのねじれやもつれでも、吊ってしまうと、そこから破断する可能性があるチェーンを

結ぶなんてしたら、、、ね?

 

 

スリングを結んで使うのは危険!ということが分かってくれたかな?

もちろん一番良い方法は、ちょうど良い長さのスリングを用意することなんだけれど

どうしてもスリングの長さを調節したいときは、チェーンブロックや長さ調節機能付きのスリングなど

適切な連結金具を使用してくれよな!

 

君たち、今日も一日ご安全に!

 

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