玉掛け作業あれこれ こんなものも吊っちゃうよ! ~飛行機編~

9月も半ばに入って少しずつ秋を感じる季節になってきたね。
この時期にあるイベントといえばお月見。
調べると今年のお月見(中秋の名月)は9月24日なんだって。
お団子を作ってお供えをして、健康や幸せをお願いする行事のことだね。
僕は「団子」って聞くとシャックルを思い浮かべてしまうんだ。
シャックルのアイ部のことをダンゴって呼ぶことは前にも説明したよね。
知らなかったっていう人がいたらここからチェックしてくれよ。
混乱してお月見の日にシャックルをお供えするようなことはしないでくれよな。

さて、ここから本題に入るよ。
今月はこんなものも玉掛け作業できるってことを君たちに知ってもらおうと思っているよ。
先週は電車を吊っているところを紹介したね。
今週は飛行機を吊っているところを紹介するよ。
まずは下のイラストを見てくれ。

イラスト1

僕の描いたイラストじゃ何を描いたかわからないって?
一応説明しておくと真夜中の空港で飛行機を吊り上げているところだよ。
飛行機を吊り上げるなんてめったにないシチュエーションでワクワクするよね。
詳しく説明すると引退した国産旅客機YS11を運び出しているところなんだ。
滑走路がある制限区域から制限区域外へは、陸路を使って飛行機を出せないから大型クレーンを使って移動させたんだよ。
役目を終えて夜中にひっそりと引っ越ししているところを僕たちがお手伝いしたってことだよ。

飛行機を吊り上げるって聞いて、君たちだったら何を使って玉掛けするかな?
僕たちはインカリフティングスリングっていう繊維スリングを使って玉掛けしたんだ。

イラスト2

飛行機の機体に傷を付けたらダメだし、これほどの重量物を吊るとなると、ワイヤやチャーンだとかなり太くて重いものになっちゃうよね。
繊維スリングだと機体に傷を付ける心配もないし、軽いから楽に作業ができるよ。
今回は特注で500mm幅のベルトを作って玉掛けしたんだ。
250mm幅のベルトを2列にして幅を広くすることで荷重を分散させているよ。
飛行機みたいに大きくて重たいものでも、繊維スリングで玉掛け作業できるってことを君たちも知っておいてくれよな。

僕の好きな映画で、魔女の女の子が独り立ちをして魔女がいない町で修業をして、
パン屋さんに住まわせてもらうことになって、そこから宅急便もすることになって、
ニシンのパイを届けたり、届けた人にそのパイは嫌いだとか言われたり、空が飛べなくなったり、今まで人間と同じ言葉を話していた黒猫がニャーとしか言わなくなったりする映画があるんだけど君たち知ってるかな?
その映画の中で、飛行船が墜落してその女の子が助けに行くシーンがあるんだ。
手に汗握る感動的なシーンなんだけど、このインカスリングで玉掛けしたらもっと早く確実に助けられたかもしれないね。

20180913_イラスト

でもやっぱり映画の一番おもしろいところが台無しになっちゃうかな。
これ以上へんなことを言うとそろそろ怒られそうだからやめておくよ。

君たち、今日も一日ご安全に!!