シャックル表面処理シリーズ2 電気の巻

君たち明日の9月12日が何の日なのか知ってるかい?
実は「宇宙の日」なんだって。
1992年のこの日、宇宙飛行士の毛利衛さんが
アメリカのスペースシャトル「エンデバー」で
宇宙へ飛び立った日なんだ。
あと、1992年は「国際宇宙年」といって
世界的にも、宇宙や地球環境について考えようという
動きがあった年だよ。
最近夏も終わりに近づいて
だんだんと夜も涼しくなってきたから、
明日の夜は星でも眺めながら、
宇宙に思いをはせるのもいいよね。

さて、ここから本題に入るよ
前回はシャックルの表面処理シリーズとして
メッキも塗装もしていない「黒」について紹介したよね。
おさらいもふまえてだけど、
表面処理をする理由として、錆を防いで内部を守ったり、
耐久性を高めるはたらきがあるって
説明したよね。

今回はメッキのなかでも「電気」メッキに注目してみるよ。

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呼び方として、シャックルでは、よく「電気亜鉛めっき」や
「ユニクロ」って言われたりもするよ。
ちなみに、お手頃価格でいい感じの服を売ってる、
あのお店とは関係ないから混乱しないでくれよな。

「電気」という名前からも想像できるように
金属の電気分解を利用してメッキをしていくんだ。
少し難しい話になるんだけど、
金属のイオンを含む電解液に、
メッキをしたいシャックルを入れて電気を流すと、
電気分解の要領で、
電解液に溶けている亜鉛イオンが、シャックルにくっつくんだ。

う~ん。何を言ってるのかさっぱりわからないよね。
ものすごく簡単に言うと、
亜鉛を含む電解液に、メッキをしたいシャックルを入れて
電気を流すと、シャックルが磁石のようになって、
電解液中の亜鉛たちがシャックルの表面に引き寄せられるんだ。
これが電気メッキだよ。

メッキをするシャックルだけど、
表面処理をする前には前処理をしないといけないよ。
油やゴミがついたままの状態でメッキをすると
メッキ自体がつきにくかったり、剥がれやすくなってしまうんだ。
これを防ぐために前処理をしていくんだけど、
それにも色々種類があるよ。
油分をとっていく「脱脂処理」
酸性溶液にシャックルを入れて、ゴミや錆を取り除く「酸洗い」
細かい粒子をシャックルに打ち当てて汚れを取る「ショットブラスト」
他にも前処理の種類はたくさんあるよ。
これは電気メッキだけに限らず、他のメッキや塗装をする前に
も必ず行うことなんだ。

前回、黒のシャックルを説明したときに、
価格が安いことが特徴って言ったけど、
今回は前処理をしたり、メッキをしたりするから
黒のものと比べて工程が多くなって、価格は高くなるよ。

あと、見た目なんだけど、一概にこんな色になるよ
とは言えないんだ。
というのも、電気メッキにもいろんな種類があって、
金色っぽい仕上がりになったり、青っぽくもなったりするからね。
黒のものと比べると全体的にピカピカしててキレイに見えるよ。
だから装飾用としてもよく使われるんだ。

錆を防いだり、内部を守ったりしているメッキ。
この季節、まだまだ使っている人もいると思うけど、
日焼け止めに似ていると思わないかい?
日焼け止めを塗って、紫外線から皮膚を守るみたいに
メッキも錆や、汚れからシャックルを守っているんだよ。
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次回は「ドブ」メッキについて説明するから
楽しみにしていてくれよな。
君たち、今日も一日ご安全に!!