シャックル表面処理シリーズ3 ドブの巻

昨日は敬老の日だったね。
君たちはおじいちゃん、おばあちゃんに
プレゼントを渡したかい?
父の日や、母の日と同じで、
プレゼントって選ぶのも結構難しいよね。
「お酒が好き!」とか「甘いものが好き!」
っていう人には好みのものを選ぶといいし、
お花を渡すっていうのも定番だよね。
でも一番いいのはちゃんと会って
日頃の感謝の気持ちを伝えることだよ。
なかなか会えない人は手紙でもいいよね。
きっと喜ばれると思うんだ。
偉そうなことを言いながら、今回、僕は何もしてないから
来年はちゃんと会いに行こうかな。

さて、ここから本題に入るよ。
今回はシャックルの表面処理シリーズ第3弾
「ドブメッキ」だよ。
1_SB-16_ドブ
変な名前だなーと思った君たち、
正式名は別にあって、「溶融亜鉛メッキ」って言うんだ。
メッキの施し方なんだけど、
溶かした亜鉛にシャックルを“どぶん”と浸して
表面に亜鉛の皮膜を作っていくよ。
色々と諸説はあるけど、
このメッキの施しかたから「ドブ」とか「天ぷら」
って呼ばれるようになったみたいなんだ。
呼び方は単純だし、メッキを施す工程も簡単かと思いきや、
一定の品質のものを作るのには高度の技術が必要なんだよ。

ドブの一番の特徴は電気メッキのものよりも、
防錆性が高いということだよ。
理由は亜鉛と鉄の間にできた合金層の役割によって、
お互いが強く結合するからなんだ。
詳しく説明すると、大きく2つの特徴があるよ。
メッキの表面にできる、亜鉛の酸化被膜が、
空気や水を通しにくい性質を持っていて
シャックルを錆びにくくする「保護皮膜作用」。
万が一、傷がついて中の鉄が出てきてしまっても、
傷の周りの亜鉛が鉄より先に溶けて、保護をする「犠牲防食作用」。
少し難しいけど、こんな特徴があるんだ。
「ドブメッキ」っていう名前から
なんとなく、汚そうなイメージがあるけど、
電気メッキのシャックルよりも錆びにくいから、
もちろん価格も高くなってくるよ。

ドブメッキは、電気メッキほどピカピカした光沢感は無いけど
シルバーっぽい色が特徴的だよね。

メッキの厚みはJISで決まっていて、
HDZ35~HDZ55まであるよ。
これはメッキの付着量を表している数字なんだ。
HDZの後につく数字が大きくなるほど、
付着量が多くなっていくよ。
メッキの付着量を増やしてほしいといった
場合は、僕に相談してくれよ。

「HDZ35」ってさっき言ったけど
つい「35」に反応してしまうのは僕だけかい?
20170919_イラスト
「35億」じゃないし、無理やりな感じは否めないけどね。

たまに「ドブメッキのシャックルが
白い粉を吹いたみたいになってるけど大丈夫?」
っていう問い合わせをもらうんだけど
原因は「白サビ」なんだ。
初期の白サビはたいして問題ないんだけど、
これを放置しておくと、腐食していくことがあるから
注意してくれよな。
腐食が進んで廃棄基準に達したシャックルは
ちゃんと廃棄してくれよな。

君たち、今日も一日ご安全に!!