重量物を移動・運搬するために「吊る」~解体工事編~

今回は、重量物を移動・運搬する方法を紹介するよ。

重量物とは?

まず、重量物とは、言葉の通り「重たいもの」のことを指しているよ。

一概に「重たいもの」と言っても、人の力で持ち上げるには重いと感じるようなものから、

人の力では持ち上げられない何百tのものまで、幅広く指しているんだ。

例えば、書類がたくさん入った段ボール、冷蔵庫や洗濯機など大きな家電、

自動車や電車などの乗り物、これら全部「重量物」だよ!

 

重量物を移動・運搬するために「吊る」

その重量物の中でも「人力では持てない重量物」を、移動・運搬するために「吊る」という手段があるんだ。

クレーン等を使用して「吊る」ことで、電車や歩道橋、船、工場で使用する材料など、

1tを超えるような超重量物も運搬できちゃうよ!

ただ、クレーンで運ばなければいけないような重量物を吊り上げるから、危険と隣り合わせの作業でもあるんだ。

吊る作業を安全に行うためには、作業に合わせて最適な方法や道具を選定する必要があるよ!

 

例えば、ワイヤロープだけで吊り上げるには、吊り角度が大きくなりすぎるような、

長く大きな重量物を吊るときは、「天秤」を使用した方法がおすすめだよ。

 

吊り角度が大きいことのデメリットは、

・吊り角度が大きくになるにつれて、ワイヤロープにかかる張力も大きくなる。

・ワイヤロープが滑って、内側によってくる。すると長尺物はバランスがとりにくくなってしまう。

・ワイヤロープと吊り荷が干渉して、吊り荷を傷つけてしまう。

などがあげられるんだ。

 

でも、天秤を使用することで、大きな吊り荷でも

吊り角度を心配する必要がなく、バランスよく水平に吊り上げる事が出来るんだ。

また、荷にワイヤロープが干渉しないから、荷を傷つける心配もなくなるよ。

 

実際に、天秤を納入した事例を1つ紹介するね。

[解体工事] 煙突吊り十字天秤

 

 

ご相談内容

解体工事を計画しているゴミ処理場に、かなり古くて長い煙突があるんだけれど

コンクリートが脆くなっていたから、解体時に崩れる可能性があったんだ。

当初は、中間チェーン付ワイヤロープのみを使用して作業を行う予定だったそうだよ。

だけれど、この方法では「吊り角度がついて内側に寄る力が働き、事故の危険があるのでは」と悩まれて、相談してくれたんだ。

 

解決!

十字吊り天秤を提案したよ!

吊り天秤を使用することで、荷に対して吊り角度を付けずに玉掛け作業ができ、煙突が崩れるリスクを下げることができたよ。

さらに、多数の吊り点・チェーンブロックを付けて、解体していく煙突の⾧さ・太さに合わせて調節ができるようにしたんだ!

 

納入後は、「解体工事なので一度きりしか使用しない現場の作業員も安心して作業できた」と言ってもらえたよ。

もしかしたら同じような悩みを持っている人もいるんじゃないかな?

この事例では、特注の天秤がピッタリだったんだけれど、もちろん既製品という選択肢もあるよ。

ただ、安全性に不安がある、より効率的に作業できるようにしたい、となると既製品じゃ対応しきれない!

ってときは、思い切って「特注の吊り具を作る」っていう方法も考えてくれよな。

 

今日も一日ご安全に!

 

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