チェーンの点検方法について紹介するよ!

今年のお盆はすごく暑かったね。君たち、お盆休みは楽しく過ごせたかい?
僕は暑いのが苦手だから、家でゆっくり過ごしていたよ。
ずっと家にはいたけれど、ちゃんと夏を楽しんだよ。
高校野球を見て、お昼にそうめんを食べて、昼寝して、おやつにスイカを食べて、、、
ほら、夏っぽいでしょ。
来年はどこかに行こうかな。君たち涼しくて過ごしやすい場所を知っていたら、教えてくれよな。

 

さて、ここから本題に入るよ。
点検には、日常点検と定期点検があるっていうのは知っているかな。
簡単に説明すると、
日常点検は、使用前に行う点検、
定期点検は、使用頻度により毎月1回以上定期的に日常点検より細かく行う点検のことだよ。

 

点検は、クレーン等安全規則 第220条で
「事業者は、玉掛け用具を用いて玉掛け作業を行なうときは、その日の作業を開始する前に
当該ワイヤロープ等の異常の有無について点検を行なわなければならない」と定められているから、しっかり行ってくれよな!

 

なんでいきなり点検について説明したかというと、
今回は「チェーンスリングの点検方法」について説明するからだよ!

 

チェーンスリングの点検項目は大きく分けて、以下の5項目だよ。
(1)伸びていないか
(2)変形・よじれがないか
(3)リンクが摩耗していないか
(4)亀裂がないか
(5)溶接・鍛接部分に不良がないか

 

今日は、(1)(2)(3)について説明するね。

 

 

(1)の「伸びていないか」の点検は、「チェーンスリングの長さが元の長さより、5%を超えていないか」を確認するんだ。

この点検はJISで定期点検の対象となっていて、ノギスなどの計測器を使用するよ。

 

チェーンスリングの長さは、全長を測るんじゃなくて5リンクの長さを計測するんだ。

元の長さっていうのは製造時の長さの事だから、新品のチェーンスリングを買ったときに任意の5リンクの長さを測っておくよ。
その長さと、使用後のチェーンスリングで最も伸びた部分の5リンクの長さを比べて、5%以上伸びているものは廃棄するんだ。

チェーンスリング 伸びを図る位置

ちょっと、計算をしてみるね。新品の時の長さが5リンク200㎜だった場合、
まず200㎜の5%の長さを求めて、その5%の長さと元の長さを足した長さが廃棄基準となるよ。

200㎜ × 0.05(5%) = 10㎜
200㎜ + 10㎜ = 210㎜

つまり、新品の時の長さが5リンク200㎜だった場合は、
使用後の5リンクの長さが210㎜を超えていたら、廃棄しないといけないってことだよ。

 

 

次に(2)「変形・よじれがないか」の点検は、日常点検、定期点検の両方で確認するよ。
日常点検では目視、定期点検では計測器を使用し、線径の10%以上変形していたら廃棄するんだ。
特に、吊り荷と直接接触する部分は入念にチェックしてくれよな。

チェーン 変形・ねじれの例

 

 

最後(3)「リンクが摩耗していないか」の点検も、日常点検と定期点検、両方の対象だよ。
日常点検では目視、定期点検では計測器を使用し、

「リンク断面の直径の減少が、元の直径より10%を超えていないか」を点検するんだ。

10%以上減少しているものは廃棄するよ。

 

さっそく計算をしてみよう。
新品の時の直径が10㎜だった場合、まず10㎜の10%の長さを求めるよ。
そして、もとの直径から10%の長さを引いた値が廃棄基準となるよ。

10㎜ × 0.1(10%) = 1㎜
10㎜ – 1㎜ = 9㎜

つまり、断面の直径が9㎜以下だったら、廃棄するってことになるね。

 

日常点検で摩耗も確認するって言ったけれど、目視で摩耗は分かりにくいし、日常点検で測定器を使用するのは大変だよね。
そこで、便利なのが「点検用簡易ゲージ」と呼ばれるものだよ。
ゲージにチェーンスリングを当てるだけで摩耗しているかどうか分かるんだ。

しかも、摩耗だけじゃなく伸びも点検することができるよ。
全てのメーカーが用意しているわけじゃないけれど、気になった君は調べてみてくれよな。

 

チェーンスリングの点検方法について説明したよ。
今回は日常点検・定期点検どちらの対象、JISをもとに紹介したけれど、
メーカーによって違う場合があるから、使用しているチェーンスリングのメーカーに確認してくれよ。
また、リンクの伸びや直径の減少を測るには、もともとの寸法を測っておく必要があるから
チェーンスリングごとに新品の寸法を、台帳に記録するようにしてくれよな!

クーラーで涼むミスターT
君たち、今日も一日ご安全に!