安全率ってなんだ?

君たち、突然だけど3月29日はなんの日か知っているかい?

実は3月29日は「作業服の日」なんだ。

「さ(3)ぎょうふ(2)く(9)」の語呂合わせで決まったらしいよ。

ものづくり大国の日本では多くの労働者が第二次産業に従事していることから、

記念日には、作業服姿の人々に感謝し、新年度の4月1日から新しい作業服でさらに頑張ってもらいたい

という願いが込められているそうだよ。

 

僕は最近、作業服を着るとなんだか前よりも、ぴちぴちになったような気がするよ。

腹回りなんか特に、もっとゆとりがあったような気がするんだけどな。

これを機に、新しい作業着に新調しようかと思っているよ。

 

さて、ここから本題に入るよ。

 

君たちは、商品のチラシなんかに「安全率5倍!」なんて書かれているけど、

「安全率ってなんだっけ?」って思ったことはないかい?

そんな君たちに、改めて安全率について説明するよ。

 

まず破断荷重についてなんだけど、

破断荷重とは、製品が壊れる力の大きさの事でブレーキングロード(B・L)ともいうよ。

 

なんで破断荷重の説明をしたかというと、

安全率とは、玉掛け用具の破断荷重と使用荷重との比のことだからだよ。安全係数ともいうね。

 

<式> 安全率 = 破断荷重 ÷ 使用荷重

 

安全率が設定されている理由は、玉掛け用具など使用時に起こる不確定要素を考え

あらかじめ倍率を決めることで安全に使用できるようにしているんだ。

不確定要素は、吊り具にかかる強い衝撃や振動、それによる材料の疲労などのことだよ。

 

じゃあ、「ワイヤなどの吊り具の安全率って何倍なんだ?」って思う君もいるかもしれないね。

下の表を見てくれたら分かる通り、ワイヤの用途によって安全率も異なるんだ。

無題

玉掛け作業における安全率の値は、「クレーン等安全規則」で

吊り具の種類、形状、材質、使用方法などを総合的に考え定められているよ。

だから君たちは、

「玉掛用のワイヤの安全率は6倍以上、シャックル・フックの安全率は5倍以上」と覚えといてくれよな。

 

シャックル・フックなどの吊り具は安全率の条件を満たした、使用荷重の設定になっているよ。

使用荷重は1tだけど、安全率が5倍だから5tまでは大丈夫ってことじゃないから気を付けてくれよな!

 

ちなみに引張荷重をかけて、永久変形を起こさないっていうのが「JIS」で定められているんだ。

引張荷重っていうのはプルーフロード(P・L)といって

シャックル・フック等では使用荷重の2倍に設定されているよ。

 

吊り具の品質をメーカーが保証するために、引張荷重をかけて問題ないってことを試験することがあるよ。

要望があれば、その試験結果を記した「揚貨装具試験成績書」や「品質証明書」を

発行することもできるから、気軽に相談してくれよな!

 

今日は安全率について、説明したよ。

 

そういえば、僕の作業服が破けたりしていないのは、

想定より大きな体の人が着ても、ある程度は大丈夫なように作られているのかな?

君たちに使用荷重を守ってって言ってるんだから、僕も着用サイズもちゃんと守らないといけないね。

次買うときは、1サイズ上げよう思うよ。

一番良いのは痩せればいいだけなんだけど、これが難しいよね。

ミスターT

君たち、今日も一日ご安全に!