アツアツでどこまで耐えられるんだ！

君たち、玉掛け作業をする前に
チェーンスリングの点検はしているかい。

今回の「今日は何の日」は君たちの中にも癒されている人が多い
11月26日のアレの記念日を紹介しようと思う。

11月26日は「いい風呂の日」なんだ。

「いい(11)ふろ(26)」の語呂合せにちなんで、
日本浴用剤工業会が制定したんだって。

現在のお風呂って昔とは全く違うんだけど、日本でのお風呂の始まりって
知っているかい。

日本にお風呂が広まったのは、6世紀の仏教の伝来と関係しているそうなんだ。
仏教で、お風呂に入ることは「七病を除き、七福が得られる」と説かれていたことから、
お風呂に入ることは健康に良いとされていたんだって。

以来、寺院では「体を洗い清める」という大切な業の一つとして浴堂が備えられる
ようになり、浴堂のない庶民にも入浴を施したことから、お風呂に入るという習慣が
広まったそうだよ。

浴堂だけど、大仏で有名な東大寺や興福寺に今も残っているんだって。

戦後、欧米文化が浸透し住宅の進化とともに家風呂が普及していき、
現代の君たちの癒しの場が作られたんだよ。

僕はこれからの寒い時季には、体の芯からポカポカになれる入浴剤をお風呂に
入れるんだけど、君たちもお好みの入浴剤を見つけるとかして、お風呂の
時間を楽しんじゃいなよ。

さて、100℃を超える高温物の吊り上げ作業で玉掛け用具を選定する際、
君たちはワイヤロープ、ベルトスリング、チェーンスリングの何を選ぶかな。

僕ならチェーンスリングを選ぶよ。
ワイヤロープ、ベルトスリングより耐熱性に優れているからね。

これは玉掛け用具を選択する時の基本として知っておいてくれよ。

ここから「チェーンスリングの熱影響による強度低下」について
説明しようと思う。

耐熱性に優れているチェーンスリングであっても高温物を吊り上げる時は、
熱を受ける部分に強度低下が生じることを知っているかい。

高温の熱が伝わると、チェーンスリングは
①高温脆性や硬度低下
②炭化物の析出による脆性
③熱衝撃（冷却・膨張）の繰り返しによる疲労破壊など
とても危険な影響を及ぼすんだ。
※脆性（ぜいせい）＝外力による変形を起こさないうちに
　破壊されてしまう性質（もろさ）のこと
※析出（せきしゅつ）＝分離すること

簡単に言うと、高温の熱が伝わると硬さがなくなり、材質変化を起こし、
耐力を落とすってことなんだ。

どの程度低下するのか確認しちゃいなよ。

上の表はチェーンスリング製作会社のマーテック株式会社の
使用荷重の減率表だよ。
※製作会社によって、減率が異なるから要注意だよ！

熱影響は目に見えないから注意してくれよ。
玉掛け用具の選定の時には、吊り角度や伝わる最大温度など、使用条件を
すべて盛り込んで玉掛け用具の選定をしてほしいってことだよ！

玉掛け用具の選定に悩んだら、ココから吊りのプロに問合せをしちゃいなよ。

以前「熱処理」について説明したのを覚えているかい。
チェーンスリングも製作工程上で熱処が施されているんだよ。
忘れちゃった君たちはココを確認してくれよ。

「熱、ＨＯＴ」といえばサウナだよね。

サウナってダイエット以外にも、冷え症解消や不眠解消などの
効果があるらしいけど、熱くなりすぎたら体力が落ちて倒れちゃうから
注意が必要なんだ。