スリングの危険信号を見逃すなよ!【僕にも限界はあるんだ!】

君たち、前回のブログで使用荷重について
書いて行ったけどわかってくれたかい?

先週、僕は名古屋で特殊任務があって行ってきたんだ。

その特殊任務中にいろいろと安全について
質問を受けたんだけど、
ちょうど繊維スリングについて書いているから
多かった質問内容について触れていくよ。

その中でも、インカ リフティングスリングの
耐久性や摩耗についての一番質問が多かったんだ。

まずは、インカ リフティングスリングの両アイ形の部分だ。
アイ部分は、細く絞って縫製し、フックへの掛けはずしを
容易にするとともに、ナイロン補強により耐久性を高めているんだ。

写真で説明するよ。
補強_20131118.png 
写真のオレンジ部分はポリエステルだけど、
白い部分になっているところが
ナイロンで補強している部分だよ。

アイ部にナイロンの補強を使用することは、
クレーンフックやシャックルなどの連結金物に
直接当たる部分の摩耗に対して
有効な原糸だから大洋製器工業では
採用しているんだ。

もう一つ多かったことは、廃棄基準のことだ。

インカ リフティングスリングは、使用限界がひと目でわかるよう、
「シグナルライン(=白色の糸)」が織り込まれていて、
この糸が見えたら廃棄し、新品に交換してくれよ。
摩耗_20131118.png 
断面図

第1層目が擦り減って、危険信号の白い糸が見えると
2層目・3層目で吊っちゃうことになるから
使用荷重内で吊れなくなっちゃうことがわかるよね。

擦り減って危険信号がわかるようなもので言うと
車のタイヤがあるよね。
車の溝にはスリップサインという危険信号があるのを
知ってるかい?

こんな感じになってるよ。

タイヤの溝が1.6ミリ以下になると、そのタイヤの限界がきたことを
警告する危険信号なんだ。

摩耗したタイヤでは、タイヤが道路から浮き上がり、
ブレーキやハンドル操作が効かなくなる現象が
起こりやすくなってとても危険だよね。

このスリップサインが来たら交換・廃棄してくれよ!
っていうサインだよね。

インカ リフティングスリングも
「白い糸が見えたら交換・廃棄してくれよ」
って言う無言のサインを出しているんだ。

だから、君たちもこのサインを見つけた時には
安全のためにちゃんと交換してほしい。

吊具は使用していくうえで限界はあることは
わかってくれたよね。

今回はこれくらいにして、次回も楽しみに待っててくれよ!