外れ止め金具があれば良いってもんでもないよ!

前回のブログで、重量フックについて書いたんだけど、君たち分かってくれたかい。

hook_Ghook_ai.png

前回ブログ

重量フックは、30年前に開発されてからほとんど変わっていないフックなんだ。
アイタイプ型でフックに環があるんで、シャックルやワイヤロープに連結しやすく
利便性が良いし、強度や摩耗性に優れていて丈夫で安全性が高いフックで、市場にも
深く浸透しちゃっているフックなんだ。

ただ、その安全性が高く、利便性が良い完全無欠だと思われていた重量フックにも
弱点があったんだ。

それは、
(1)外れ止め金具が破損しやすい
(2)無負荷状態の時にワイヤロープが立ち上がって外れることがある

事なんだ。

どう言う事か分からないって!

それを今から説明するよ。

まず、(1)外れ止め金具が破損しやすいことについてだ。

jyuuryou_hook.png

重量フックの外れ止め金具は鉄板製で、ワイヤロープやシャックルとかがフックから
外れないようにするために付いているんで金具自体の強度はそんなに高くないんだ。

HooK_banehason.jpg

上のフックの外れ止め金具を見てほしい。
くしゃくしゃになっているよね。

外れ止め金具は、ワイヤロープに引っかかったり、モノにぶつけたりして破損しちゃう
ことが良くあるんだ。
それに、外れ止め金具は消耗品で、フックの使用によって傷んできちゃう。
以前のブログにも書いたんだけど破損した外れ止め金具じゃ、付けている意味が
ないから取り換えないといけないんだ。

次に、(2)無負荷状態の時にワイヤロープが立ち上がって外れることがあるについてだ。

wire_tati.png

上の画像を見てほしい。
このフックは、重量フックと同じタイプの外れ止め金具付きのフックなんだ。

順番に説明するよ。
(1)負荷(荷重が掛かっていない)状態では、ワイヤロープの自身が持っている
反発力でワイヤロープが立ち上がちゃうんだ。

(2)立ち上がったワイヤロープがフックの先端を越えちゃう。撚りでワイヤロープが
回転し外れ止め金具を押し始めちゃう。

(3)この状態のまま、フックを吊り上げようとするとワイヤロープが外れ始めちゃう。

(4)っで、フックを吊り上げられちゃうとワイヤロープが外れてしまうんだ。

このワイヤロープの立ちによる「外れ現象」が起きちゃうと吊り荷が危険な状態に
なっちゃうからね。
だから、荷を吊り上げるときはワイヤロープがきっちりフックに掛かっているか
確認しないといけないんだ。

これが、鉄板製の外れ止め金具を付けている重量フックの宿命的な弱点だったんだ。

宿命的な弱点って言えば、ウルトラマンのことが思い浮かんじゃう。
ウルトラマンは、地球上で3分間しか戦えないっていう宿命的な弱点があるんだ。
ウルトラマンが、M78星雲の「光の国」から来ているってことは君たちも知って
いるよね。
っで、「光の国」って言うだけあって太陽エネルギーに満ち溢れた国で、ウルトラマンは
その太陽エネルギーで活動しているんだ。
それが地球上だと、エネルギーが急激に消耗しちゃって3分間しか持たないってこと
なんだ。

ウルトラマンは「太陽エネルギー」が切れる前に、「光の国」に戻らないといけないんだけど、
重量フックは「外れ止め金具の点検」や、ワイヤロープの立ちにより「外れ現象」を分かったうえで
注意して使うなら良いんだけどね。

ウルトラマンは、結局この弱点を克服できなかったんだけど、重量フックはこの宿命的な弱点を克服
するフックが誕生したんだ。
それが、新型の重量フックである「Vフック」のことだ。

重量フックについての説明が長くなっちゃたんでVフックの詳細については来週の
ブログに書くことにするよ。

君たち、重量フックのVフックの新旧重量フックストーリー見ちゃってくれよ。