そんな曲げ方想定外!!

今回も、シャックルの点検についてなんだ。

点検はこの4項目なんだ。

1・アークストライクがないか点検
2・本体及びボルト・ピンが変形していないか点検
3・当たりキズ、切り欠け・亀裂がないか点検
4・クラウン及びボルトが摩耗していないか点検

前回はアークストライクについて書いたんだけど、君たち覚えてくれたかい!

前回ブログ

君たち、アークストライクがあるシャックルは、使っちゃダメだよ。

今回は、本体及びボルト・ピンが変形していないか点検について書こうと思う。
本体やボルト・ピンが変形してないか点検するんだけど、点検するときは組み
立てた状態で検品することが必要なんだ。

本体に取り付けたときに、取付け部に隙間ができたりしてボルト・ナット・
割ピンが完全に取り付けることができないシャックルは使用しちゃいけない。
完全に取り付けることができないってことは、外れちゃう可能性があるって
ことだからね。

それから、寸法を計測し、変形率を求めて規定値を超えているものは使っ
ちゃいけないんだ。

tenken_shackle_a02[1].gif

まずは、シャックルのもとの寸法SとLを計測する必要があるんだ。
シャックルの寸法表にはSとLの寸法が載っているんだけど、シャックルには実寸と
規格寸法には許容差ってものがある。
これはシャックルのJIS規格(JIS B2801-1996)に規定されているんだけど、その
許容差はL寸法だと最大で±4.5%あるんだ。
だから、元の寸法を計測しておく必要があるってワケだ。

次に、使って変形してしまったSとLを計測して、そして変形率を計算するんだ。

変形率の計算は上の画像の計算式で計算できる。

この変形率が8%を超えるものは使っちゃいけないし、たとえ、溶接や火造り(熱間)で
手直ししても使っちゃいけない。
そんなシャックルは金属疲労を起こしているし熱による材質の変化が起こってもろく
なっているからね。

 

たとえば、曲がって変形してしまったスプーンはもはやスプーンとして使えない。

スプーンが本来の機能で使えないのと同じように、永久変形が起こって許容範囲を超えた
シャックルは使っちゃいけないんだ。

次回は、残りの点検項目について書くつもりなんだけど、夏季休暇だから更新は
8月27日(月)にしようと思う。

君たち、忘れずに見に来てくれよな。