定滑車と動滑車の違いと選定の注意点

君たち、もうすぐ節分だね。

今年はみんなで「南南東やや南」の方角を向いて恵方巻きを食べるよ。

「やや南」のさじ加減が難しそうだなあ。

ちなみに僕のお気に入りは、まぐろの太巻き寿司!

 

節分の話はこれぐらいにして本題に入るよ。

定滑車と動滑車の違いは、中心の軸を固定したモノが定滑車、固定しないモノが動滑車だよ。

あと、ロープを引く力の大きさとロープを引く距離にも差があるんだ。

 

定滑車から説明していくよ。

定滑車に吊るされている荷は、ロープを下に引くと、引いた距離と同じだけ上に上がるよね。

ということは、ロープを引く力は荷の重さと同じかそれ以上の大きさの力が必要になるよ。(図1参照)

【定滑車】

ロープを引く力荷の重さと同じ力

ロープを引く距離荷の動く距離

 

定滑車と動滑車の違いを説明[図1]

 

 

一方で、動滑車は考え方が違うよ。

動滑車に吊るされている荷はどういう状態かな?

図2を見ると、定滑車と違って固定されていないよね。

荷はロープを引くと動滑車と一緒に動くよ。

 

定滑車と動滑車の違いを説明[図2]

ここで君たちに知っておいてほしいことが2つある。

ポイント① 1本のロープにかかる力は同じ

ポイント② 荷が動滑車を下に引っ張る力と動滑車を上に上げる力は同じ

 

ロープを引く力から説明するよ。

もう一度、図2を見てくれ。

動滑車を中心として、ロープが左右に分かれて2本あるように見えるかもしれないけど、1本のロープだね。

でも、ロープの左側は天井に繋がっていて右側は君たちが引くよね。

つまり、荷の重さの半分は天井が支えているんだ。

荷の重さを2点で引いて(支えて)、1本のロープにかかる力は同じだから、

ロープの左右にかかる力の大きさ、つまり2点がロープを引く力はそれぞれ荷の重さの1/2になるんだ。

 

じゃあ引く距離はどうなるかな?

例えば手で荷を持ち上げるにはロープを2本とも持ち上げる必要があるけど、

天井に繋がるロープは持ち上げられないよね。

左側の天井に繋がるロープの分も含めて持ち上げる必要がある。

だから、ロープを引く距離は荷の動く距離の2倍になるんだ。(図3参照)

 

定滑車と動滑車の違いを説明[図3]

【動滑車】

ロープを引く力荷の重さの1/2

ロープを引く距離荷の動く距離×2

 

 

最後に、滑車を選ぶときの注意点を説明するよ。

例えば使用荷重100kgの滑車で荷を吊るとき、吊り上げられる荷の最大質量は何kgかな?

 

答えは50kgだよ。

 

定滑車の場合、ロープで荷を引く力は荷の重さと同じだったよね。

つまり定滑車には、荷の重さ50kgとロープで引く力50kg、合わせ100kgの荷重がかかるんだ。

図で表すと図4のようになる。

使用荷重100kgの定滑車で吊り上げられる荷の最大質量は50kgになるんだね。

 

定滑車と動滑車の違いを説明[図4]

 

今日は、定滑車と動滑車の違いと滑車を選ぶときの注意点について紹介したよ。

いまの滑車の使い方を再確認するのはもちろん、

安全で楽に作業できる定滑車と動滑車の組み合わせも考えてみてくれよな。

 

まとめ

【定滑車】ロープを引く力荷の重さと同じ力

   ロープを引く距離荷の動く距離

【動滑車】ロープを引く力荷の重さの1/2

   ロープを引く距離荷の動く距離×2

 

 

定滑車と動滑車の違いと選定の注意点

 

君たち、今日も一日ご安全に!

 

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