「安全帯」が「墜落制止用器具」になるよ!  

君たち3連休は楽しく過ごせたかい?
僕は家の近くのお寺に紅葉を見に行ってきたよ。
赤や黄色の紅葉に囲まれながら、水の流れる音を聞いていると
なんだか心が洗われてキレイになった気がしたよ。
家の近くでこんなにキレイな紅葉を楽しめて、日本人で良かったと改めて感じたんだ。
そこのお寺は春と夏と冬はいつも無料で入ることができるんだけど
この紅葉の季節になると、なぜかお金を払わないといけないんだ。
毎年思うことなんだけど、心に何か引っかかるのは気のせいかな。
それともやっぱり僕の心は、あれだけの紅葉を見ても洗いきれなかったのかな。

さて、ここから本題に入るよ。
日頃から高所作業をする君たちならもう知っている人もいるかもしれないね。
厚生労働省が今年の6月に発表した「墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン」で、安全帯の名称が「墜落制止用器具」に変わることが発表されたんだ。
変更があった背景として、まず墜落や転落による死傷者が多いということがあげられるよ。
このグラフを見てくれ。

グラフ

出典:厚生労働省ホームページ

墜落・転落による死亡災害は全体の26%、休業4日以上の死傷災害は全体の17%
を占めているんだ。
安全帯を使っているから心配ないよ!っていう声も上がってくるかもしれないね。
でも、日本でよく使われている胴ベルト型の安全帯は、墜落した時の衝撃で内臓や背骨を圧迫してしまって、最悪の場合は死亡事故にも繋がってしまうんだ。
国際基準等ではフルハーネス型を採用しているっていう背景もあって、今回この変更があったんだよ。

じゃあ具体的に何が変わるんだって?
簡単に説明していくね。
初めにも説明したとおり、安全帯の名称が「墜落制止用器具」に変更になるよ。
最初に紹介したガイドラインでは、墜落制止用器具として認められるのは胴ベルト型(一本吊り)とハーネス型(一本吊り)だけなんだ。
安全帯として今ある胴ベルト型(U字吊り)は、墜落を制止する機能が無いから、
墜落制止用器具としては認められなくなるんだって。
そしてここが一番のポイント!
墜落制止用器具はフルハーネス型を使うことが原則となるよ。(義務化は約3年後から)
フルハーネス型だと胴ベルト型と比べて複数のベルトで体を支えることができるから
万が一墜落した時も、衝撃を分散することができるんだ。

イラスト

出典:厚生労働省ホームページ
【別添2】「安全帯が「墜落制止用器具」に変わります!」(リーフレット)

胴ベルト型と比べると、肩や骨盤も支えてくれているから安全そうだよね。
作業箇所の高さが6.75m以上だとフルハーネス型の着用が必須となってくるから
今、胴ベルト型を使って高所作業をしている君たちは、原則としてフルハーネス型に変わるっていうことを覚えておいてくれよな。

今日は安全帯が墜落制止用器具にかわるっていう話をしてきたよ。
それにしても「墜落制止用器具」って名前としてはちょっと長いような気がするのは気のせいかな。
僕なりに、もう少し短くて分かりやすいのを考えてみたよ。
「安全帯」の進化系だから、ずばり「安全地帯」・・・!!

20181126_イラスト

なんだか意味が変わってくるし、いろんな人に怒られそうだからこのあたりでやめておこうかな。

来週は移行する期間の話や、特別教育について説明していくつもりだよ。

君たち、今日も一日ご安全に!