開き過ぎにはご用心

今回は吊り角度について書こうと思う。

使用荷重の計算には掛け本数と吊り角度が必要になり、掛け本数については前回のブログで書いたんで、今回は吊り角度についてだ。

掛け本数について

 

 

吊り角度のついたスリングを使ってモノを吊るときは、気を付けないといけないことがあるんだ。
それは、吊り角度が大きくなるとスリングを内側に引き寄せようとする力が働くので、スリング1本当たりにかかる張力が増加することなんだ。
吊り角度が、0°から180°に近づくにつれて1本あたりにかかる張力が大きくなる。
この増加分を割り増し計算するための係数を張力増加係数って言うんだ。
張力係数.JPG

 

 

1本あたりの張力が増加するとどうなるか、ワイヤロープスリングで説明しよう。吊り荷の質量が同じでも吊り角度が大きくなればなるほどワイヤロープに作用する張力が大きくなり、使用荷重の大きいより太いワイヤロープが必要になっちゃうワケだ。

玉掛け用ワイヤロープスリングでは、吊り角度が大きくなると張力が大きくかかり不安定な状態になるので、60°以内での使用を推奨している。

 

 

 

この人は、180°開いても大丈夫そうだけどね。

基本的な考え方は、他のスリング(吊りチェーン、繊維スリングなど)を使っても同じだ。
どうしても吊り角度が大きくなるときは、天秤をお勧めするよ。

使うのは吊り天秤(吊りビーム)なんだ。

吊り天秤を使えばバランス良く吊ることが可能になるよ。

吊り天秤についての詳しいことはいずれ書こうと思うが、ホームページでも紹介しているから見てくれよ。
吊り天秤について

間違ってもこんな天秤は使わないでくれよ。

この天秤じゃ吊れないからね!

次回は、掛け数と吊り角度のただならぬ関係について詳しく書こうと思うんだけど、来週はゴールデンウィークだからブログ更新は5月7日(月)にしようと思う。

 

 

君たち、休み明けだからって見逃すなよ!

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