
吊り角度がつくと、影響する箇所はどこなの?
ちょうど一ヶ月前のブログに10月には健康診断があるって書いてたんだけど、予定通り受けてきたよ。
結果はと言うと・・・あまり良くなかったんだ。
まだ正式な診断結果は届いてないんだけど、その場でわかる項目としては、体重増加、血圧増加、視力低下、散々だったよ。
ただその悪い数字が並んでいる中で、光り輝く好成績を収めた項目もあったよ。
そればお腹まわりの数字で、なんと4㎝も細くなっていたんだ!
・・・なんで?体重増えてるのに?日頃の運動量は1年前とまったく変化なし!と自負している僕だから、なんだかキツネにつままれたような気分になってしまったよ。
なんだろう、知らない間にチート能力を手に入れてしまったのかな?
「体重が増えれば増えるほど、お腹まわりは細くスリムになっていく」
そういうこと?
食べれば食べた分だけ、僕はお腹すっきりメキメキかっこよくなっていく・・・そういうこと?
偶然とはいえ、世の中のダイエッターたち垂涎のチート能力入手に、恍惚と不安を感じる今日この頃だよ。
さて、ここから本題に入るよ。
このブログでも折に触れて紹介してきたんだけど、玉掛け作業の時にスリングを2本以上使う場合には、
吊り角度によって「張力増加係数」を考慮しなくちゃならない、って話があったよね。
「吊り角度が大きくなれば大きくなるほど、玉掛け用具にかかる張力が増加していく」
という法則だったよね。
じゃあみんな、張力増加係数を計算上加味しなければならない玉掛け用具ってどの部分のことかわかるかい?
一般的な2本以上のスリングセットは、上にリング、中間にスリング、下にフック、この3つで構成されているけど、
全部に張力自体はかかっているんだけど、計算上張力を加味しなくてもよい部品があるよ。
ややこしくてごめんよ。
まず、ワイヤロープなんかのスリングとフックは、直接的な影響を受けるから加味しているよね。
例えば、下の絵のような2本吊りスリングセットを吊り角度60度で使用したとするよ。
1tの吊り荷だとすると、スリングとフックは張力増加係数1.16の影響を受けるから、1本あたり0.5tではなくて0.58tの強度が必要なんだ。
じゃあ、リングは1tの使用荷重のもので大丈夫なの?って疑問に思う人もいるんじゃないかな。
スリングやフックと同じに考えたら、1.16t以上の使用荷重のものが必要なんじゃない?って。
答えは、「120度未満の場合は加味しなくてもいい」だよ。
難しい力学の話はしない(出来ない)んだけど、リングを使ったスリングセットの場合、
リングを支点として力が下のスリング2本に分散されるから、それぞれのスリングを足さなくても問題ないってことなんだ。
じゃあなんで120度未満なの?ってなるよね。
張力増加係数表を見てもらうと、吊り角度120度というところが「2」になってるよね。
つまり、スリングやフックはさっきの例だと1本あたり0.5tではなくて1tの強度が必要になるんだ。
そう、分散されるっていっても、1本で1tを超えた力がかかると、当然リングも1tを超えた力が必要になってくるってことなんだ。
ちょっと難しいよね、僕も説明してて頭がこんがらがっちゃったよ。
まあ、当然基本的には吊り角度60度以内で吊ってね、ってことなんだけど、気になる人もいるかもしれないから、ちょっと紹介してみたよ。
だれかに上のような条件で「リングは1tで大丈夫なの?」と聞かれた時に、待ってました!って感じで答えてみてね。
実際の作業で必要な知識としては当然、「吊り角度が大きくなれば大きくなるほど、玉掛け用具にかかる張力が増加していく」ってことだからね。
「吊り角度がいくら大きくなっても、玉掛け用具にかかる力は変動しない」
そんなチート機能はないってことだよ、少なくとも通常の地球上ではね。
今日も一日ご安全に!








