全国安全週間~吊り荷の下に入らない~

タイトルの通り7月1日~7日に実施される「全国安全週間」を紹介するよ!

毎年、このブログでも紹介しているから知っているよっていう人も多いかもしれないね。

改めて説明すると、全国安全週間は厚生労働省が実施している取り組みで

労働災害を防ぐために、安全に対する意識と職場の安全活動のより一層の向上に取り組む週間だよ。

6月1日から30日までを準備期間、7月1日から7日までの1週間が本週間とされているんだ。

今年のスローガンは「多様な仲間と 築く安全 未来の職場」だよ。

 

厚生労働省の発表によると、労働災害は長期的には減少していて

去年(令和6年)の労働災害の死亡災害は、過去最少となる見込みみたい。

これは、君たちが安全に作業してくれている結果だね!

ただ、休業4日以上の死傷災害は前年を上回る見込みで近年増加傾向が続いているそうだよ。

 

僕が玉掛け作業の事故事例を見ていて、

多いな~と感じるのは「作業者が吊り荷の下に入っていた」というケースだよ。

吊り荷の下に入っていた事自体が、直接事故の原因という訳じゃないんだけれど、

「吊り荷の下に入ってさえいなければ、、」って思っちゃうよ。

もちろん、このブログを読んでくれている君は、

普段から気をつけてくれていると思うけれど、事故事例を1つ紹介するね。

 

鋼材を運搬後、玉外し作業が不完全だったことで鋼材が倒れて落下し被災。

《事故状況》

鋼材をハッカー2個およびワイヤロープを用いて玉掛け作業を行い、

床上操作式橋形クレーンで高さ約1mの架台まで運搬したよ。

その時、作業補助者Aは荷が振れないように、手で押さえながら一緒に移動したんだ。

クレーン運転者Bは、鋼材を架台のほぼ中央に載せた後、玉掛け用ハッカーを取外して

クレーンフックを巻き上げたんだけれど、ハッカーが完全に外れていなかったんだ。

その結果、鋼材が倒れて架台から落下し、作業補助者Aが被災してしまったよ。

 

《原因》

①クレーンフックの巻き上げ時に

・ハッカーが完全に荷から外れていない状態だったこと。

・運転者が安全を確認しなかったこと。

・運転者が他の作業者に合図をしなかったこと。

②荷が転倒する可能性のある場所に、作業者が立ち入ったこと。

 

《対策》

・玉外し時は、鋼材からハッカーを外すだけでなく、クレーンフックからワイヤロープを外す。

・クレーン運転者は玉外しが完全に終了したことを確認後、荷の状態を見ながらフックの巻き上げを行う。

・クレーンの操作を行うときは、周囲の作業者に注意を促す。

・荷が落下する危険性のある場所に、作業者の立ち入りを禁止する。

 

 

この事故の直接的な原因は、玉外し作業が不完全だったことだけれど、

吊り荷の下に作業者が入っていなければ、大きな事故にはならなかったかもしれないよね。

 

この「吊り荷の下」っていうのは、吊っている荷自体の真下だけではなく、

その荷が回転あるいは転倒する範囲のことを指しているよ。この範囲には絶対に入らないようにしてくれよな。

「3・3・3運動」でも、「吊り荷から3m離れる」ってあるよね。

もちろん3m離れていても危ないかなって思ったら、それ以上に離れてくれよな。

 

特に、

①ハッカーを用いているとき

②つりクランプ1個を用いているとき

③1本つりのとき

④複数の荷が結束され、箱に入れられるなどの固定されていないとき

⑤磁力又は陰圧により吸着させているとき

等は、クレーン等安全規則第29条で

「吊り荷の下に労働者を立ち入らせてはならない。」と明確に定められているよ。

 

今日も一日ご安全に!

 

関連ページ

厚生労働省HP 労働災害事例

吊り具ブログ「吊り荷の下の範囲とは?」

吊り具ブログ「最後まで油断禁物!玉外し作業」