
危険!その玉掛け作業!!~繊維スリング編~
今回は「繊維スリングを使った玉掛け作業の危険な例」を2つ紹介するよ。
もし、このブログを読んでドキッとしたら、今日から改善してくれよな!
じゃあ、さっそく危険作業①
角張った荷を吊り上げる時や吊り角度が大きい時に、
コーナーパット(当てもの)をしていない。
心当たりはないかい?
繊維スリングは、スリングの中でも特にエッジ(角)の影響を受けやすいという弱点があるんだ。
だから、角張った荷に直接スリングをかけると、角にあたる部分の強度が低下し、
最悪の場合スリングが破断する可能性があって危険だよ。
また、吊り角度が大きい場合は、スリングが横滑りする可能性もあるよね。
エッジに横滑りが加わると、簡単に繊維スリングは切れてしまうよ、、、。
実際、繊維スリングがどのくらいエッジの影響を受けるのか気になるよね。
ベルトスリングの「エッジの影響による強さ保持率の試験結果」というものがあって、
それに結果よると、エッジの先端のRが0mmで、当てものなしのとき、強さ保持率は28.9%まで落ちたそうなんだ。
つまり、70%以上強度が低下したということだよ。
(Rっていうのは、エッジの丸みの度合いを断面の半径で表していて、0mmは丸みがない先端のこと。)
そんなに!ってビックリするよね。
実際の作業現場では、さらに振動や衝撃による摩擦も発生するから、もっとスリングに負荷がかかると考えられるよ。
だから、角張った荷の吊り上げる時や、吊り角度が大きく横滑りが発生しやすい荷を吊る時は、
コーナーパット(当てもの)を使ってくれよな!
危険作業②
温度の高い場所や、高温の荷の吊り上げに繊維スリングを使用する。
しちゃっていないかい?
繊維スリングは、名前の通り繊維でできているから
鉄でできているワイヤロープやチェーンスリングに比べて特に熱に弱いんだ。
小学生の頃、ストーブに近づきすぎて袖が溶けちゃっていた子いなかった?まぁ、僕なんだけれど。
それと同じで、繊維スリングも熱で溶けてしまったり、型くずれを起こしてしまうよ。
もし吊り上げ中に繊維スリングが溶けて切れちゃったら、、、って考えただけでも怖いよね。
ベルトスリング(JIS B 8818)とラウンドスリング(JIS B 8811)両方のJIS規格でも
「使用温度は100 ℃以下として、常温(-30℃~50℃)を超えて使用する場合は、
使用荷重についてメーカーに相談してね」と書かれているよ。
繊維スリングは基本的に常温環境下で使用する!って覚えてくれよな。
今回は繊維スリングを使った玉掛け作業の危険な例を紹介したよ。
今日も一日ご安全に!