これから玉掛け作業をする君たちへ~関係法令について~

君たち新年度が始まって新しい環境にもすこしずつ慣れてきたころかな。
新型コロナウィルスの感染拡大防止のために緊急事態宣言が発令されたね。
テレワークを採用する会社も増えてきて「まだ新しい環境に慣れてないのに」っていう君たちもいるかもしれないね。
前回は玉掛け作業をする上での心構えとして、安全第一について紹介したよね。
とうぜんのことだけど、安全第一ってのはなにも玉掛け作業だけに言えることじゃない。
こんな時だからこそなにが一番大切なのか考えて、その大切なものを守るためにはそれこそ安全第一をつねに意識して行動しなきゃね。
君たちの一番大切なものってなにかな?
僕はそうだなあ、おいしいお肉やお魚、お酒なんかも大切だし、昼寝や旅行や遊びなんかも大切かな。
ああ、そうか、当たり前だと思ってる普段の生活が大切ってことなんだね。

さて、ここから本題に入るよ。
前回から玉掛け作業で気をつける基本的なことを紹介しているよ。
今回は、玉掛け作業についての関係法令を紹介しようと思うんだ。
まずは下を見てほしい。

労働安全衛生法(就業の制限)第61条
事業者は、クレーンの運転その他の業務で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせてはならない。

ここでは「就業の制限」として、大きな範囲で適用対象と資格による制限のことが書かれてるよ。
具体的な適用対象ってどうなのかっていうと、下になるよ。

労働安全衛生法施行令(就業制限に係る業務)第20条
法第61条第1項の政令で定める業務は、次のとおりとする。
16 制限荷重が1トン以上の揚貨装置又はつり上げ荷重が1トン以上のクレーン、移動式クレーン若しくはデリックの玉掛けの業務

この「就業制限に係る業務」で、玉掛け作業のことが出てきたね。
じゃあ、玉掛け作業をするに当たって、どんな資格がいるかっていうと、

クレーン等安全規則 第2節 就業制限(就業制限) 第221条
事業者は、令第20条第16号 に掲げる業務(制限荷重が1トン以上の揚貨装置の玉掛けの業務を除く。)については、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、当該業務に就かせてはならない。
1 玉掛け技能講習を修了した者
2 職業能力開発促進法(能開法)第27条第1項 の準則訓練である普通職業訓練のうち、職業能力開発促進法施行規則  (能開法規則)別表第4の訓練科の欄に掲げる玉掛け科の訓練(通信の方法によって行うものを除く。)を修了した者
3 その他厚生労働大臣が定める者

「玉掛け技能講習」を修了した者でなければ玉掛け作業はできない、となっているね。
つまり、資格を持ってない人に玉掛け作業をさせちゃうと、事業主が罰せられるってことを君たち、特に新しく入ってきた君たちに覚えておいてほしいんだ。
というのも、いまでも守ってなくて罰せられるっていうケースがあるからね。

罰せられるだけじゃなくて、資格を持っていないってことは必要な知識も持っていないってことだから、事故につながる可能性が高いってことなんだよ。
だから絶対に、たとえ指示されたとしても、君たちは資格を持たずに玉掛け作業をすることはやめてくれよな!

今回は玉掛け作業の資格についての関係法令を紹介してきたよ。
資格といえば、よく「あなたにそれを言う資格はない」とか聞いたりするけど、僕はたまに「食べ過ぎ、飲み過ぎに気をつけよう!」って言ったりすることがあるんだ。
そんなとき、だいたい言われた人は「あなたにそれを言う資格はない」っていう顔をしてくるんだ。
なんでなんだろう?
ああ、そうか、普段の僕の生活が食べ過ぎ、飲み過ぎだからだね。
法令で制限がかけられているわけじゃないけど、食べ過ぎ、飲み過ぎが身体によくないのはわかりきってることだよね。
僕も人に気をつけよう!って言える資格を持てるように食べ過ぎ、飲み過ぎに制限を加えていくことにするよ。

完成イラスト

法令を守ることは自分を守ることにつながるってことを覚えておいてくれよ!

君たち、今日も一日ご安全に!