玉掛け作業の「地切り」とは?

地切り(じぎり)

地切りとは、クレーン等で荷を吊り上げる時に、吊り荷を地面から離すことを指しているよ。

この時、荷振れや荷の落下が起きやすいから、とっても緊張する作業の1つなんだ。

地切り・その後の吊り上げ作業を安全に行うためには、地切り”前後”の作業が大事だよ。

 

ということで今回は、地切り時の確認ポイントを説明していくよ。

 

地切り前

まず、ゆっくりクレーンを巻き上げて、玉掛け用スリングを緊張させた状態で一旦停止するんだ。

その状態で、玉掛けの状態は良いか、玉掛け用具は正しくかかっているか、荷振れの恐れがないか等を確認するよ。

また、もし荷振れが起こった場合に備えて、退避できるよう周囲の状況も確認してね。

 

この時にちょっと気をつけてほしいことが1つ。

玉掛け状態を確認する際、スリングは手で握らず、手のひらで押さえるようにして確認してくれよな。

どうしてかというと、スリングの確認中に誤ってクレーンを巻き上げられてしまったら

手が挟まれてしまう危険性があるからだよ。

玉掛け 手がはさまれるイラスト

もちろんクレーンの巻き上げは、吊り荷の近くに誰もいない事を確認してから行うのが正解なんだけれど、

想定外の事が起こってもケガをしないために、すぐにスリングから手を離すことができるように作業してね。

 

地切り後

そして地切り後は、高さ30cm以下のところで巻上げを一旦停止して、

玉掛けの状態は良いか、荷は水平になっているか(安定しているか)を確認するよ。

ここで少しでも不安があれば、一旦荷を下ろして確実に吊り荷が安定するまで修正するんだ。

 

例えば、目測ミスなどで重心とズレた位置に玉掛け用具をセットしてしまっていたのに

地切時に確認をせず、そのまま吊り上げてしまうと

支点(フックの位置)に重心がよっていき、荷振れや荷の落下に繋がるよ。

玉掛け 重心のズレが原因で荷が落下するイラスト

それを防ぐために、吊り荷が安定するまで修正を行うんだ。

また、地切りを確実にすると、ワイヤロープの立起こりによるフックのはずれ現象も防ぐことができるよ。

今は製品自体に、はずれ現象を防ぐ機能がついているVフックなどの製品もあるけど、

落下させてしまうリスクを考えたら、確実に安全な方が良いよね。

 

「3・3・3運動」の紹介

地切りを安全に行ってもらうために「3・3・3運動」というものがあるんだ。知っているよって人もいるよね!

3・3・3運動とは、「3」をキーワードにしている、玉掛け作業時の安全活動の事で

下の3つの項目を意識して安全に作業してねって運動だよ。

・吊り荷から3m離れる

・地切り30cm以下の高さで一旦停止

・地切りをしてから3秒間停止して吊り荷の安定を確認

333運動

 

地切り時の確認ポイントを説明したよ。分かってくれたかな?

 

 

ところで、上の話と全然関係ないんだけれど、来週5月13日は「カクテルの日」なんだって!

1806年、ニューヨークの新聞に「カクテルの定義」が掲載されたことにちなんで制定されたみたい。

カクテルは名前がおしゃれすぎて味の想像ができないものが多いから、普段はあんまり飲まないんだけれど

13日はちょっとチャレンジしてみようかな。

バーテンダーになりきるミスターT

今日も一日ご安全に!