
フォークリフトで玉掛けはアリ?ナシ?
「フォークリフトで荷物を吊ったらダメなの?」
これは、現場でよく聞かれる質問の1つだよ。
特に、フレコンバッグの吊り上げや一時的な荷の吊り移動など、手っ取り早く済ませたい作業で
つい行われがちな操作だと思うんだけれど、それ、本当に大丈夫かい??
ということで、今回のブログは、法令・労働基準監督署の見解・僕たち吊り具メーカーの立場と対応
について話していくよ!
フォークリフトはクレーンになれるのか?
まず、前提として確認するべきなのは「フォークリフトはクレーンとみなされるのか?」という点だよね。
実はこれ、昭和47年9月18日付の労働省通達(基発第602号)で、
「移動式クレーンには、フォークリフト、揚貨装置、ストラドルキャリヤーは含まれない」と明示されているんだ。
つまり、フォークリフトは爪にフックやアームをつけたとしても、クレーンにはなれない!ということだよ。
労働安全衛生規則 「用途外使用」の禁止
さらに、関連する条文として、労働安全衛生規則(第151条の14)に、こんな記載があるんだ。
「事業者は、車両系荷役運搬機械等を荷のつり上げ、労働者の昇降等当該車両系荷役運搬機械等の主たる用途以外の用途に使用してはならない。
ただし、労働者に危険を及ぼすおそれのないときは、この限りでない。」
なんだか難しい言い回しだけれど、簡単に言うと「フォークリフトを用途外で使用しないでね」って意味だよ。
この「用途外」にあたる例として、「フォークリフトの爪に、直接フレコンの吊り紐を引っ掛けて運搬する行為」があるんだ。
実際にこの使い方で、用途外使用として書類送検された事例も多数報告されているみたいだよ。
労働基準監督署の見解
労働基準監督署へも、フォークリフトでの玉掛け作業について見解を聞いてみたよ。
回答は
・爪に直接吊り荷をかけるのはNG(用途外使用)
・しかし、適切なアタッチメントを装着し、安全が確保されているなら問題とされないケースもある。
・とはいえ、推奨できる使い方ではない。
とのことだったよ。つまり、基本的には「NG」ということだね。
NGの詳しい理由は、
・フォークリフトは床上式クレーンとは違って、旋回や走行など独特の動きをするため、吊り荷が不安定になりやすいこと。
・さらに、現場の床面は傾斜や段差などの不整地要素が多く、吊り作業と相性が良くないこと。
の2点、説明してくれたよ。
吊り具メーカーの対応
ここまでの説明で、フォークリフトで荷物を吊ることは法令的に難しいことが分かってくれたかな?
ただ、「吊りたくなる現場事情」があるってことも、僕たち吊り具メーカーは分かっているんだ。
そこで、法令を守りつつ、現場の声に答えるために、
各吊り具メーカーは、安全を確保した「持ち上げのための補助具」を開発・製作しているよ。
例えば大洋製器工業では、爪に差し込むだけで簡易フックとして使用できるものや、
フレコン専用吊りアームなど、フォークリフト専用の吊りアタッチメントを特注製作しているんだ。
こうした製品は、法的にはあくまで「持ち上げのための補助具」として位置づけられて、
使い方を誤らなければ用途外使用とはされないから安心してね。
まとめ
フォークリフトはクレーンではないため、玉掛け作業は基本的には「NG」。
ただ、適切なアタッチメントを装着し、安全が確保されているなら問題とされない場合もある。
上記を考慮し、法令と現場のあいだで安全を両立させるためには
・用途外に該当しないかどうか、法令を確認すること
・リスクがあるならアタッチメントを使って構造的に安全を担保すること
・必ず所轄労基署に確認すること
が不可欠だよ。
つまり、事故を防ぐためにはルールの理解と正しい道具選びが必要ってことだね!
今日も一日ご安全に!